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令和5年-問33 民法 債権

Lv3

問題 更新:2024-01-07 21:16:22

契約の解除等に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.使用貸借契約においては、期間や使用収益の目的を定めているか否かにかかわらず、借主は、いつでも契約の解除をすることができる。

イ.賃貸借契約は、期間の定めがある場合であっても、賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなったときには、当該賃貸借契約は終了する。

ウ.請負契約においては、請負人が仕事を完成しているか否かにかかわらず、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

エ.委任契約は、委任者であると受任者であるとにかかわらず、いつでも契約の解除をすることができる。

オ.寄託契約においては、寄託物を受け取るべき時期を経過しても寄託者が受寄者に寄託物を引き渡さない場合には、書面による寄託でも無報酬の受寄者は、直ちに契約の解除をすることができる。

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ
  解答&解説

正解 4

解説

妥当でないものはウ、オである。

使用貸借契約においては、期間や使用収益の目的を定めているか否かにかかわらず、借主は、いつでも契約の解除をすることができる。 ア.妥当である

借主は、いつでも契約の解除をすることができる(民法598条3項)。

賃貸借契約は、期間の定めがある場合であっても、賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなったときには、当該賃貸借契約は終了する。 イ.妥当である

賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する(民法616条の2)。

賃貸借契約は賃借物を使用収益することができることを目的としているため、対象としている賃借物が消滅したときには、契約を維持する意味がなくなるからである。

請負契約においては、請負人が仕事を完成しているか否かにかかわらず、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 ウ.妥当でない

「請負人が仕事を完成しているか否かにかかわらず」としている点が妥当でない。

請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる(民法641条)。

請負契約は注文者の利益のために請負人が仕事を完成させることを約束する契約であるから、注文者が必要なくなった仕事を請負人が続行することは注文者にとって無意味になる。

一方、請負人は損害賠償してもらえるなら仕事を続行する必要はない。したがって、注文者には、理由を必要としない解除権を認めている。

委任契約は、委任者であると受任者であるとにかかわらず、いつでも契約の解除をすることができる。 エ.妥当である

委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(民法651条1項)。

寄託契約においては、寄託物を受け取るべき時期を経過しても寄託者が受寄者に寄託物を引き渡さない場合には、書面による寄託でも無報酬の受寄者は、直ちに契約の解除をすることができる。 オ.妥当でない

「直ちに契約の解除をすることができる」としている点が妥当でない。

無報酬で寄託を受けた場合の書面による寄託の受寄者は、寄託物を受け取るべき時期を経過したにもかかわらず、寄託者が寄託物を引き渡さない場合において、相当の期間を定めてその引渡しの催告をし、その期間内に引渡しがないときは、契約の解除をすることができる(民法657条の2第3項)。

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