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令和5年-問40 商法 会社法

Lv2

問題 更新:2024-01-07 21:20:46

会計参与と会計監査人の差異に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設置が義務付けられているのに対して、当該いずれの会社形態においても、会計参与は任意に設置される機関である。
  2. 会計参与は会社法上「役員」に位置づけられるが、会計監査人は「役員」に含まれない。
  3. 会計参与は定時株主総会において選任決議が必要であるのに対して、会計監査人については、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、再任されたものとみなす。
  4. 会計参与は、取締役または執行役と共同して計算関係書類を作成するが、会計監査人は計算関係書類の監査を行う。
  5. 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、これを監査役等に報告しなければならないが、会計参与にはこのような報告義務はない。
  解答&解説

正解 5

解説

大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設置が義務付けられているのに対して、当該いずれの会社形態においても、会計参与は任意に設置される機関である。 1.正しい

取引量の多い大会社では計算書類等への外部監査の必要性があり、会計監査人の設置が必要になる。また監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社の前身である委員会等設置会社は、旧商法では大会社前提の機関であったため会社法の制度設計においては大会社と同様に会計監査人の設置が必要となる。
そのため大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設置が義務付けられている(会社法327条5項、会社法328条)。
会計参与は中小規模の株式会社の計算書類等の自発的な適正化を促進する趣旨の制度であり、原則的に設置は任意である(会社法326条2項)。

会計参与は会社法上「役員」に位置づけられるが、会計監査人は「役員」に含まれない。 2.正しい

役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する(会社法329条1項)。

なお「役員等」では会計監査人も含まれる。

会計参与は定時株主総会において選任決議が必要であるのに対して、会計監査人については、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、再任されたものとみなす。 3.正しい

会計参与の選任については取締役と類似しており定時株主総会において選任決議が必要である(会社法329条1項)。任期についても原則は2年間で非公開会社においては最大10年まで伸長することができる(会社法334条1項、会社法332条準用)。任期終了後に再任するには株主総会の決議を経る必要がある。
対して会計監査人の任期は1年間であるが再任が前提の設計になっている(会社法338条1項、2項)。

会計参与は、取締役または執行役と共同して計算関係書類を作成するが、会計監査人は計算関係書類の監査を行う。 4.正しい

会計参与は、取締役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない(会社法374条1項)。
会計監査人は、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない(会社法396条1項)。

会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、これを監査役等に報告しなければならないが、会計参与にはこのような報告義務はない。 5.誤り

会計監査人、会計参与ともに報告義務がある。

会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない(会社法397条1項)。
会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない(会社法375条1項)。

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