令和2年(2020年)行政書士試験で出題された問題と、合格道場に掲載している問題・解説と同主旨の問題の一部を抜粋し、表にしました。このほかにも多数の問題・解説が適合していますので、合格道場をしっかりやっていれば、本試験に十分対応できます。※正解肢を導き出せる厳しい基準で判定
令和2年(2020年)本試験と合格道場掲載問題の比較一覧
最新判例にも対応!!
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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最新判例 問43 多肢選択式 | 一問一答 憲法 司法 問27 |
本件は、被上告人(議員)が、議会運営委員会が厳重注意処分の決定をし、市議会議長がこれを公表したこと(以下、これらの行為を併せて「本件措置等」という。)によって、その名誉を毀損され、精神的損害を被ったとして、上告人(市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めるものである。これは、[ア:私法上の権利利益]の侵害を理由とする国家賠償請求であり、その性質上、法令の適用による終局的な解決に適しないものとはいえないから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう[イ:法律上の争訟]に当たり、適法というべきである。 もっとも、被上告人の請求は、本件視察旅行を正当な理由なく欠席したことを理由とする本件措置等が国家賠償法1条1項の適用上違法であることを前提とするものである。 普通地方公共団体の議会は、憲法の定める[ウ:地方自治の本旨]に基づき自律的な法規範を有するものであり、議会の議員に対する懲罰その他の措置については、[エ:議会の内部規律]の問題にとどまる限り、その自律的な判断に委ねるのが適当である。そして、このことは、上記の措置が[ア:私法上の権利利益]を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断する場合であっても、異なることはないというべきである。 したがって、普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の[ア:私法上の権利利益]を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、当該措置が[エ:議会の内部規律]の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきものと解するのが相当である。(最一小判平成31年2月14日民集73巻2号123頁) |
解説 普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求について判例は、市議が、公費の支出を伴う本件視察旅行の必要性に疑問を呈し、政治的信条として参加を拒否したのであるから、上記請求は、紛争の実態に照らしても、一般市民法秩序において保障される移動の自由や思想信条の自由という重大な権利侵害を問題とするものであり、一般市民法秩序と直接の関係を有する。 したがって、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟にあたる(最判平成31年2月14日)。 なお、同判例では、普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断するにあたっては、当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきであるとしている。 |
基礎法学
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問1 基礎法学 | 練習問題 裁判制度 問10 |
著作権の関係上、本文非掲載 正解 ア:調停 イ:和解 ウ:仲裁 エ:裁判 |
紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意しているが、その一つが裁判上の[和解]である。また「当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする」紛争解決方法として、わが国では[調停]が発達し、争いの性質によっては訴訟よりも活用されてきた。たとえば家事事件手続法によれば、[調停]を行うことのできる事件についてはいきなり訴訟を提起することはできず、まずは[調停]の申立てをしなければならない。裁判によらない紛争解決の方法としては、さらに[仲裁]がある。これは紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段であり、特に商人間の紛争解決手法として古くから発達してきた。・・・ |
以下、適合多数のため省略 |
憲法
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問3 憲法 | 練習問題 人身の自由 問2 |
・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[オ:蓋然]性があると認められることが必要であり、かつ、・・・制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ[ウ:合理]的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。(最大判昭和58年6月22日民集第37巻5号793頁) | 解説 「閲読を許すことにより、監獄内の規律及び秩序の維持上放置することができない程度の弊害が生ずる相当の蓋然性があると認められる場合は・・・障害発生の防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきもので・・・憲法に違反するものではない」(よど号ハイジャック新聞記事抹消事件:最大判昭和58年6月22日) |
問4 憲法 | 練習問題 憲法Ⅰ 問17 |
肢5 正解肢 表現行為の規制には明確性が求められるため、表現行為を規制する刑罰法規の法文が漠然不明確であったり、過度に広汎であったりする場合には、そうした文言の射程を限定的に解釈し合憲とすることは、判例によれば許されない。 |
・・・そう解する限り、このような規制は、他の基本的人権に対する侵害を回避し、防止するために必要かつ合理的なものとして、憲法21条に違反するものではない」としている。 ここで示されている危険性の程度については、いわゆる[ ウ ]と呼ばれるものである。また、条文の意味を憲法に適合するように限定していることから、[ 合憲限定解釈 ]していることがわかる。 解説 エ:合憲限定解釈 違憲判断回避の方法として、法令適用の前提となる解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合において、合憲的に解釈する解釈方法のことをいう。 |
以下、適合多数のため省略 |
行政法
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問8 行政法 | 練習問題 行政総論 問57 行政活動(総合) |
肢1 法律の留保に関するさまざまな説のうち、いわゆる「侵害留保説」が前提とされている。 |
解説 侵害留保説 行政活動において国民の権利や自由を制約し、又は新たに義務を課す行為には法律の根拠を要するとし、一方、授益的な行為は法律の根拠は必要ないとする説で、判例・実務の立場である。 権力留保説 法律による行政の原理により、・・・ |
問9 行政法 | 練習問題 行政総論 問35 行政行為 |
肢1 正解肢 処分に重大かつ明白な瑕疵があり、それが当然に無効とされる場合において、当該瑕疵が明白であるかどうかは、当該処分の外形上、客観的に誤認が一見看取し得るものであるかどうかにより決すべきである。 |
解説 「行政処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず、・・・瑕疵が明白であるというのは、処分成立の当初から、誤認であることが外形上、客観的に明白である場合を指すものと解すべきである。・・・所論のように、重大かつ明白な瑕疵があるかどうかを口頭弁論終結時までに現われた証拠及びこれにより認められる事実を基礎として判断すべきものであるということはできない。」(最判昭和36年3月7日) |
問10 行政法 | 練習問題 地方自治法 問87 契約 |
肢2 正解肢 売買、賃借、請負その他の契約を、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法により締結することができるのは、政令が定める場合に該当するときに限られる。 | 解説 地方公共団体の行う、売買、貸借、請負その他の契約は、希望者すべてを入札に参加させる一般競争入札の方法で行うのが原則とされており、政令で定める場合に該当するときに限り、指名競争入札、随意契約、せり売りの方法によることができるとされている(地方自治法234条2項)。 |
問11 行政法 | 練習問題 行政手続法 問38 不利益処分(総合) |
肢3 正解肢 「処分基準」とは、不利益処分をするかどうか、またはどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。 |
解説 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない(行政手続法12条1項)。また、処分基準とは不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行政手続法2条8号ハ)。 |
問12 行政法 | 練習問題 行政手続法 問55 不利益処分(弁明の機会の付与) |
肢1 正解肢 聴聞、弁明の機会の付与のいずれの場合についても、当事者は代理人を選任することができる。 |
解説 聴聞の当事者は代理人を選任できる(行政手続法16条)。弁明の機会の付与でもこの規定を準用しており、代理人を選任することができる(行政手続法31条)。 |
問13 行政法 | 練習問題 行政手続法 問24 申請に対する処分(総合) |
肢イ 正解肢 許認可等を求める申請に必要な書類が添付されていない場合、行政庁は、速やかに、相当の期間を定めて当該申請の補正を求めるか、あるいは当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。 肢エ 正解肢 行政庁が申請の取下げまたは内容の変更を求める行政指導を行うことは、申請者がそれに従う意思がない旨を表明したにもかかわらずこれを継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるものでない限り、直ちに違法とされるものではない。 |
解説 法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない(行政手続法7条)。補正と拒否は選択の関係である。 |
練習問題 行政手続法 問62 行政指導 | |
解説 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導においては、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない(行政手続法33条)。 |
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問14 行政法 | 練習問題 行政不服審査法 問49 審査請求 |
肢ア 正解肢 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査請求人の地位を承継することができるが、その場合は、審査庁の許可を得ることが必要である。 肢エ 正解肢 一定の利害関係人は、審理員の許可を得て、参加人として当該審査請求に参加することができるが、参加人は、審査請求人と同様に、口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えられ、証拠書類または証拠物を提出することができる。 |
問題 行政不服審査法による、審査請求において、審理員又は審査庁の許可が必要とされているものの組合せとして正しいものはどれか。 ア.代理人の選任 イ.利害関係人からの審査請求の参加の請求 ウ.証拠書類又は証拠物の提出 エ.審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者の審査請求人の地位の承継 オ.処分庁から提出された書類その他の物件の閲覧 解説 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる(行政不服審査法15条6項)。 |
練習問題 行政不服審査法 問41 審査請求 | |
解説 審査請求人又は参加人から口頭で意見を述べたい旨の申立てがあったときは、審理員は、正当性や必要性の有無を判断するまでもなく、申立人に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない(行政不服審査法31条1項)。 |
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問15 行政法 | 練習問題 行政不服審査法 問58 再審査請求 |
肢2 正解肢 審査請求の対象とされた処分(原処分)を適法として棄却した審査請求の裁決(原裁決)があった場合に、当該審査請求の裁決に係る再審査請求において、原裁決は違法であるが、原処分は違法でも不当でもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。 |
解説 審査請求を却下し又は棄却した裁決が違法又は不当である場合においても、当該裁決に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する(行政不服審査法64条3項)。 |
問16 行政法 | 練習問題 行政不服審査法 問28 総合 |
肢イ 正解肢 不作為についての審査請求について理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。 肢ウ 正解肢 不作為についての審査請求について理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法または不当である旨を宣言する。 |
肢3解説 ・・・不作為について審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する(行政不服審査法49条2項)。 肢5問題文 不作為についての審査請求に理由があるときは、審査庁は、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。 |
以下、適合多数のため省略 |
民法
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問29 民法 | 練習問題 物権 問87 根抵当権 |
肢3 正解肢 元本確定期日は、当事者の合意のみで変更後の期日を5年以内の期日とする限りで変更することができるが、変更前の期日より前に変更の登記をしなければ、変更前の期日に元本が確定する。 |
解説 民法398条の6第4項は「(元本確定)期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する」と規定している。 |
問31 民法 | 一問一答 民法 債権 問218 |
肢5 正解肢 本件債務引受については、それが免責的債務引受である場合には、Cは、Aに対して当然に求償権を取得する。 |
解説 更改とは、・・・・免責的債務引受の引受人も更改と同様に旧債務者に対して求償権を取得しない(民法472条の3)。 |
問35 民法 | 一問一答 民法 親族 問03 |
肢イ 正解肢 特別養子縁組において養親となる者は、配偶者のある者であって、夫婦いずれもが20歳以上であり、かつ、そのいずれかは25歳以上でなければならない。 |
解説 特別養子縁組において、25歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が25歳に達していない場合においても、その者が20歳に達しているときは、この限りでない(民法817条の4)。 |
以下、適合多数のため省略 |
商法・会社法
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問36 商法 | 一問一答 商法・会社法 商法 問44 |
肢ウ 荷送人が種類および価額の通知をしないときであっても、運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたときは、運送人は免責されない。 肢エ 正解肢 運送人の故意によって高価品に損害が生じた場合には運送人は免責されないが、運送人の重大な過失によって高価品に損害が生じたときは免責される。 |
解説 貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するにあたりその種類及び価額を通知しなくても、物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたときは、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負う(商法577条2項1号)。 |
一問一答 商法・会社法 商法 問45 | |
解説 貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するにあたりその種類及び価額を通知しなくても、運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたときは、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負う(商法577条2項2号)。 |
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以下、適合多数のため省略 |
一般知識等(政治経済社会・情報通信・個人情報保護)
令和2年本試験 | 合格道場掲載 |
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問52 政治経済社会 | 一問一答 一般知識 経済 問23 |
肢イ シェアリングエコノミーと呼ばれる、服や車など個人の資産を相互利用する消費形態が広がりつつある。 肢エ 詰替え用のシャンプーや洗剤などの購入は、自然環境を破壊しないことに配慮したサブスクリプションの一つである。 |
解説 シェアリングエコノミーとは、個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動をいう。 |
一問一答 一般知識 経済 問12 | |
解説 「サブスクリプション」とは、もともと雑誌などを定期購読するという意味であるが、近年は主に「定額制サービスを利用する」という意味で使われている。月額料金を支払うことで見放題・使い放題で利用できる定額制サービスのことである。・・・ |
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問55 情報通信 | 一問一答 一般知識 情報通信 問3 |
肢ウ SSLとは、Social Service Lineの略称。インターネット上でSNSを安全に利用するための専用線。 |
解説 SSL(エス・エス・エル)とは、インターネットにおいてデータを暗号化したり、なりすましを防いだりするためのプロトコルをいい、ショッピングサイトやインターネットバンキングなど、個人情報や機密情報をやり取りする際に広く使われる。 通信内容が暗号化されているサイトは、主要ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されるので見分けることができる。 |
問56 個人情報保護 | 練習問題 個人情報保護 問14 |
肢2 正解肢 行政機関の長は、開示することにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報は、開示する必要はない。 |
解説 開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報は不開示情報である(行政機関個人情報保護法14条1項5号)。 |
問57 個人情報保護 | 練習問題 個人情報保護 問19 |
肢5 正解肢 個人情報取扱事業者は、個人情報の取得にあたって通知し、又は公表した利用目的を変更した場合は、変更した利用目的について、個人情報によって識別される特定の個人である本人に通知し、又は公表しなければならない。 |
解説 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表しなければならない(個人情報保護法18条3項)。・・・ |
以下、適合多数のため省略 |
※合格道場の問題番号・タイトルは2020年12月時です。都合により変更になっている場合があります。