一問一答式の問題集との比較
Q. ネット上を含めた練習問題集では、一問一答式の問題集の方が多いように感じますが、合格道場が五肢択一式を中心に掲載しているのは何か理由があるのですか?
A.
五肢択一式の問題集では、単に正解しただけで良しとして次へ進めてしまいがちになるため、受験生が意識的に正解肢以外の選択肢の論点にも注意するようにしない限りは、正解肢以外の知識があやふやとなってしまいます。
この点においては、一問一答式では、そのようなことが発生しにくいため、基礎学習段階においては一問一答式の方が効果的な練習問題形式と言えるかと思います。
また、サイト運営側の観点から言えば、同じ1問を作成するなら、一問一答式の方が約5分の1の時間で作成できるので凄く楽ですし、また、同じ内容の問題数を掲載するにしても、一問一答式の方が問題数のボリュームを出しやすく、聞こえとしてインパクトのある一問一答式の方が本当は都合が良いです。
しかし、一問一答式は本来の試験での出題形式ではないため、受験生は試験に向けては必ず本試験で出題の中心となる五肢択一式問題による学習を多くこなす必要があります。
なぜなら、実践に近い五肢択一式による学習でなければ、身につかない能力も多くあるからです。
初学者の方は本試験レベルの五肢択一式問題をやると分からない肢がほとんどだと思いますが、これは合格圏内の実力がついたからといって、全部の肢が分かる問題ばかりになるというわけではありません。
行政書士試験では原則として6割得点すれば、合格なのですから、合格付近の点数の人は、約4割が知らない問題であるというのは、ある意味当然ですが、正解する6割についても100%の自信を持って選べた問題の方が、むしろ稀と言っても良いくらい判断に迷うものです。
100%の自信を持って選べないというと一見、勘で答えているようですが、これらは五肢択一式問題を多くやっておくことで、そう言った中 でも、正しい選択肢を選べるような能力が養われていくのです。これは、一般に演習力・解答力と呼ばれるものの一つです。
また、一問あたりの平均所要時間(2分~2分30秒)の感覚を養うのにも、五肢択一式の方が適していると言えるかと思います。
したがって、五肢択一式の正解肢以外の知識についての短所は、受験生のちょっとした意識で改善できますが、これらの能力については一問一答式では、どうしても養うことが出来ないというのが、合格道場が五肢択一式を中心に掲載している理由です。