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平成26年-問50 基礎知識 一般知識Ⅱ

Lv3

問題 更新:2023-05-31 14:44:32

日本の公債発行に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア.財政法の規定では、赤字国債の発行は認められていないが、特例法の制定により、政府は赤字国債の発行をしている。

イ.東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が国債発行により調達されている。

ウ.東日本大震災以降の新規国債発行額をみると、建設国債のほうが赤字国債よりも発行額が多い。

エ.都道府県や市区町村が地方債発行により財源を調達する際には、当該地方議会の議決に加えて、国の許可を受けることが義務づけられている。

オ.地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られており、歳入を補填するための地方債は発行されていない。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ
  5. 五つ
  解答&解説

正解 2

解説

財政法の規定では、赤字国債の発行は認められていないが、特例法の制定により、政府は赤字国債の発行をしている。 ア.妥当である。

地方財政法4条1項は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。ただし、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と規定している。
そのただし書きをみても分かるように、例外的に建設国債の発行を認めているが、一時的に赤字を補填する赤字国債の発行は認めていない。
しかし、1965年以降、特例公債法の制定により毎年ではないが、政府は赤字国債の発行をしてきている。

東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が国債発行により調達されている。 イ.妥当である。

東日本大震災が発生した平成23年(2011年)以降、政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が建設国債発行により調達されている。
たとえば、平成23年度の公債金収入は、47%を占めていた。
なお、2015年度政府一般会計予算では、公債金収入は38.3%となっており、その後、この肢が妥当ではない年度もある。

東日本大震災以降の新規国債発行額をみると、建設国債のほうが赤字国債よりも発行額が多い。 ウ.妥当でない。

東日本大震災が発生した平成23年(2011年)以降、新規国債発行額をみると、赤字国債のほうが建設国債よりも発行額が多い。
たとえば、平成28年度当初予算では、以下のようになっている。
 新規国債 344,320(億円)
 建設国債  60,500
 特例国債 283,820

都道府県や市区町村が地方債発行により財源を調達する際には、当該地方議会の議決に加えて、国の許可を受けることが義務づけられている。 エ.妥当でない。

「国の許可」を受けることは義務づけられているとしている点で、妥当ではない。

地方財政法5条の3第1項は、「地方公共団体は、地方債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合は、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事に協議しなければならない。ただし、軽微な場合その他の総務省令で定める場合については、この限りでない。」と規定している。

なお、以前は全ての地方公共団体の起債について国又は県の許可が必要であったが、平成18年度(2006年度)以降、実質公債費比率が18%未満の団体は、国又は県(総務大臣又は都道府県知事)との協議に基づく同意のみで起債が可能となった。

地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られており、歳入を補填するための地方債は発行されていない。 オ.妥当でない。

地方財政法5条各号に定める場合(公営企業などの経費や、災害応急事業費、災害復旧事業費及び災害救助事業費や、建設事業費の財源を調達する場合等)にのみ地方債を発行できることになっている。
ただし、その例外として、地方財政計画上の通常収支の不足を補填するために発行される地方債(臨時財政対策債)が、平成13年度以降、認められている。

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