平成28年-問5 憲法 国会
Lv4
問題 更新:2023-01-30 17:04:37
立法に関する次の記述のうち、必ずしも憲法上明文では規定されていないものはどれか。
- 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
- 内閣は、法律案を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
- 両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。
- 両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
- 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
正解 2
解説
出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。 1.明文で規定されている。
出席議員の1/5以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない(憲法57条3項)。
憲法の条文は前文と103条の短い本文があるだけだから、全部記憶してほしい。
内閣は、法律案を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。 2.明文で規定されていない。
行政権は、内閣に属する(憲法65条)と規定されており、立法権は「国会」の役割である(憲法41条)。
我が国では、法律案の大半を行政権が国会に提出して、その審議を受け、議決を経て法律としているが、このことは憲法に明文で規定されているわけではない。
両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。 3.明文で規定されている。
憲法51条に規定している。
なお、あくまで「院外」で責任を問われないのであって、「院内」では責任を問われることがあることに注意。
両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。 4.明文で規定されている。
憲法56条1項に規定されている。
なお、この数字は議事を開き議決することができる数字である。
議決数については、「両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる(憲法56条2項)」と規定されている。
衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。 5.明文で規定されている。
憲法59条2項に規定されている。
なお、予算案・条約案については、「予算については、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算(条約)を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法60条2項)。」
この条文は、条約の締結に必要な国会の承認について準用されている(憲法61条)。