平成29年-問23 行政法 地方自治法
Lv3
問題 更新:2023-01-30 15:58:24
地方自治法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 町村は、議会に代えて、選挙権を有する者の総会を設ける場合、住民投票を経なければならない。
- 普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した者について、正当な理由がある場合には、その者が議員となることを拒むことができる。
- 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、専決処分にすることができる。
- 普通地方公共団体が処理する事務のうち、自治事務についても、法定受託事務と同様に、地方自治法により複数の種類が法定されている。
- 自治事務とは異なり、法定受託事務に関する普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与については、法律に基づかないでなすことも認められている。
正解 3
解説
町村は、議会に代えて、選挙権を有する者の総会を設ける場合、住民投票を経なければならない。 1.誤り。
町村は、条例で、第89条の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる(地方自治法94条)。
いわゆる「町村総会」である。この場合、本肢にある「住民投票」を必要とする規定は存在しない。
普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した者について、正当な理由がある場合には、その者が議員となることを拒むことができる。 2.誤り。
普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した議員を拒むことができない(地方自治法136条)。
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、専決処分にすることができる。 3.正しい。
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる(地方自治法180条1項)。
なお、この規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない(地方自治法180条2項)。
普通地方公共団体が処理する事務のうち、自治事務についても、法定受託事務と同様に、地方自治法により複数の種類が法定されている。 4.誤り。
自治事務は1種類であり、法定受託事務のように複数あるわけではない。
法定受託事務には、第一号法定受託事務と第二号法定受託事務があり、それ以外は全部自治事務である。
自治事務とは異なり、法定受託事務に関する普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与については、法律に基づかないでなすことも認められている。 5.誤り。
普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない(地方自治法245条の2)。
関与の法定主義により、国又は都道府県の関与には、自治事務・法定受託事務の区別なく、法律又はこれに基づく政令によることが求められる。