令和2年-問54 一般知識等 社会
Lv3
問題 更新:2023-11-20 16:06:31
日本の人口動態に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア.死因の中で、近年最も多いのは心疾患で、次に悪性新生物(腫瘍)、脳血管疾患、老衰、肺炎が続く。
イ.婚姻については平均初婚年齢が上昇してきたが、ここ10年では男女共30歳前後で変わらない。
ウ.戦後、ベビーブーム期を二度経験しているが、ベビーブーム期に生まれた世代はいずれも次のベビーブーム期をもたらした。
エ.出生数と死亡数の差である自然増減数を見ると、ここ10年では自然減の程度が拡大している。
オ.出産した母の年齢層別統計を見ると、ここ30年間は一貫して20代が最多を占めている。
- ア・イ
- ア・ウ
- イ・エ
- ウ・オ
- エ・オ
正解 3
解説
イ、エが妥当である。
死因の中で、近年最も多いのは心疾患で、次に悪性新生物(腫瘍)、脳血管疾患、老衰、肺炎が続く。 ア.妥当でない
日本の人口動態統計の主な死因別の死亡率によると、近年最も多いのは悪性新生物(腫瘍)によるものである(令和元年:27.3%)。
次いで心疾患(令和元年:15.0%)、老衰(令和元年:8.8%)、脳血管疾患(令和元年:7.7%)、肺炎(令和元年:6.9%)が続く。
なお、老衰は平成30年に脳血管疾患を抜き上昇している。
婚姻については平均初婚年齢が上昇してきたが、ここ10年では男女共30歳前後で変わらない。 イ.妥当である
日本の人口動態調査によると、平均初婚年齢の年次推移は、昭和50年では夫27.0歳、妻24.7歳、平成元年で夫28.5歳、妻25.8歳であった。
その後、平成18年に夫が30歳を超えたものの(30.0歳、妻28.2歳)、令和元年では、夫31.2歳、妻29.6歳と、ここ10年では男女とも30歳前後で変わらない。
夫 | 妻 | |
---|---|---|
昭和50年 | 27.0 | 24.7 |
平成元年 | 28.5 | 25.8 |
平成10年 | 28.6 | 26.7 |
平成15年 | 29.4 | 27.6 |
平成18年 | 30.0 | 28.2 |
平成19年 | 30.1 | 28.3 |
平成20年 | 30.2 | 28.5 |
平成25年 | 20.9 | 29.3 |
平成30年 | 31.1 | 29.4 |
令和元年 | 31.2 | 29.6 |
戦後、ベビーブーム期を二度経験しているが、ベビーブーム期に生まれた世代はいずれも次のベビーブーム期をもたらした。 ウ.妥当でない
ベビーブームとは、赤ちゃんの出生が一時的に急増することをいう。
日本では、第2次世界大戦後、2回のベビーブームがあった。第1次ベビーブームは1947(昭和22)年~1949(昭和24)年、第2次ベビーブームは1971(昭和46)年~1974(昭和49)年である。
第2次ベビーブーム世代は第1次ベビーブーム世代の子供世代にあたり、次のベビーブーム期をもたらしたといえるが、第2次ベビーブーム世代以降、出生数は減少傾向で、第3次ベビーブームは起きていない。
出生数と死亡数の差である自然増減数を見ると、ここ10年では自然減の程度が拡大している。 エ.妥当である
自然増減とは、出生と死亡による人口の増減をいう。出生が死亡を上まわれば、自然増となる。日本を含めて先進国では共通して死亡率が減少し、少しおくれて出生率も低下しはじめることによって高齢化を押し進め、自然減となる。少子化問題、高齢化問題は成熟社会傾向の大きな課題である。
日本において、2007年以降は死亡数が出生数を上回る自然減の状態となり、その差は拡大を続けながら現在に至っている。
出産した母の年齢層別統計を見ると、ここ30年間は一貫して20代が最多を占めている。 オ.妥当でない
我が国の人口動態調査によると、平成28年(2016年)の母の平均年齢は、第1子30.7歳、第2子32.6歳、第3子33.6歳であった。
出産した母の年齢層別統計の年次推移では、昭和50年代以降は20歳代の出生率が大きく低下し、近年は30~40歳代の出生率が上昇傾向となっている。