令和3年-問53 一般知識等 社会
Lv4
問題 更新:2023-05-31 10:28:47
先住民族に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
- 2019年制定のいわゆるアイヌ新法*で、アイヌが先住民族として明記された。
- 2020年開設の国立アイヌ民族博物館は、日本で初めてのアイヌ文化の展示や調査研究などに特化した国立博物館である。
- 2007年の国際連合総会で「先住民族の権利に関する宣言」が採択され、2014年には「先住民族世界会議」が開催された。
- カナダでは、過去における先住民族に対する同化政策の一環として寄宿学校に強制入学させたことについて、首相が2008年に公式に謝罪した。
- マオリはオーストラリアの先住民族であり、アボリジニはニュージーランドの先住民族である。
(注) * アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律
正解 5
解説
2019年制定のいわゆるアイヌ新法*で、アイヌが先住民族として明記された。 1.妥当である
2019年制定のいわゆるアイヌ新法の目的条文で、アイヌが先住民族として明記された。
この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「アイヌの伝統等」という。)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念、国等の責務、政府による基本方針の策定、民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置、市町村(特別区を含む。以下同じ。)によるアイヌ施策推進地域計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けたアイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置、アイヌ政策推進本部の設置等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする(アイヌ新法1条)。
2020年開設の国立アイヌ民族博物館は、日本で初めてのアイヌ文化の展示や調査研究などに特化した国立博物館である。 2.妥当である
2020年7月に北海道白老郡白老町に開設された国立アイヌ民族博物館は、日本で初めてのアイヌ文化の展示や調査研究などに特化した国立博物館である。
当該博物館は、先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与することを理念としている。
2007年の国際連合総会で「先住民族の権利に関する宣言」が採択され、2014年には「先住民族世界会議」が開催された。 3.妥当である
2007年の国際連合総会で採択された「先住民族の権利に関する宣言」は、文化、アイデンティティ、言語、雇用、健康、教育に対する権利を含め、先住民族の個人および集団の権利を規定している。
この宣言は、先住民族の制度、文化、伝統を維持、強化し、かつニーズと願望に従って開発を進める先住民族の権利を強調している。また、先住民族に対する差別を禁止し、先住民族に関係するすべての事項について完全かつ効果的に参加できるようにしている。そして、固有の生活様式を守り、かつ経済社会開発に対する自身のビジョンを追及する権利も含む。
2014年には「先住民族世界会議」が開催された。
カナダでは、過去における先住民族に対する同化政策の一環として寄宿学校に強制入学させたことについて、首相が2008年に公式に謝罪した。 4.妥当である
2008年6月11日、カナダのスティーブン・ハーパー首相は、1874年に始まった同化政策の一環として先住民15万人を寄宿学校に強制的に入学させたことについて「深く傷つけてきた」として、先住民らに公式に謝罪した。
マオリはオーストラリアの先住民族であり、アボリジニはニュージーランドの先住民族である。 5.妥当でない
マオリ(マオリ語:Mori)は、アオテアロア(ニュージーランド)にイギリス人が入植する前から先住していた人々である。
アボリジニ(英:Aborigine)は、オーストラリア大陸と周辺島嶼(とうしょ)(タスマニア島等。ニューギニアやニュージーランド等は含まない)の先住民である。