令和5年-問55 一般知識等 情報通信
Lv3
問題 更新:2024-01-07 21:30:02
情報通信用語に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
- リスクウェアとは、インストール・実行した場合にシステムにリスクをもたらす可能性のあるソフトウェアをいう。
- ランサムウェアとは、感染したコンピュータのデータを暗号化してロックし、使えない状態にしたうえで、データを復元する対価として金銭を要求するプログラムをいう。
- フリースウェアとは、無料トライアルなどを通して解除方法を知らせないままネットの利用者をサブスクリプションに誘導し、高額の利用料を請求するアプリをいう。
- ファームウェアとは、二軍を意味するファームからとられ、優れた性能を持ったアプリケーションのパフォーマンスを劣化させる悪性のプログラムである。
- クリッパー・マルウェアとは、感染したコンピュータのクリップボード情報を収集し悪用する機能を持つマルウェアをいい、仮想通貨を狙ったものが多い。
正解 4
解説
情報通信関係の用語については、総務省「国民のための情報セキュリティサイト」の用語辞典に目を通しておくこと。
リスクウェアとは、インストール・実行した場合にシステムにリスクをもたらす可能性のあるソフトウェアをいう。 1.妥当である
リスクウェア(Riskware)とは、リスク(Risk)とソフトウェア(Software)を合わせた造語で、インストール・実行した場合にシステムにリスクをもたらす可能性のあるソフトウェアを示す。
リスクウェアには、OSに対し強い権限をもつものや、脆弱性をもつもの、攻撃者による悪用の可能性が高いものなどがある。
ランサムウェアとは、感染したコンピュータのデータを暗号化してロックし、使えない状態にしたうえで、データを復元する対価として金銭を要求するプログラムをいう。 2.妥当である
ランサム(ransom)は身代金の意味で、ランサムウェアとは、感染したPC上に保存しているファイルやPCからアクセス可能なネットワーク上のファイルを暗号化して使用ができない状態にし、復旧させることと引き換えに身代金を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)をいう。
ランサムウェアの感染経路は主にメール経由で、添付ファイルを開いたり、本文中に記載されたリンク先をクリックしたりすることで感染する。
基幹システムや工場など企業活動の生命線が狙われやすく、鉄道や病院といったインフラ系の被害が目立つ。
身代金を支払っても復旧されない可能性があることや、金銭を支払うことで犯罪者に利益供与を行ったとみなされてしまうこともあるため、支払いに応じることは推奨されない。
フリースウェアとは、無料トライアルなどを通して解除方法を知らせないままネットの利用者をサブスクリプションに誘導し、高額の利用料を請求するアプリをいう。 3.妥当である
フリース(fleece)は「金品を巻き上げる」という意味で、フリースウェア(FleeceWare)は、主にスマートフォン向けアプリで流行している悪性アプリである。
ユーザーを無料トライアルなどに誘導し、サブスクリプション解除方法を知らせずに高額の利用料を請求したり、削除後も課金を続けたりすることがある。
ファームウェアとは、二軍を意味するファームからとられ、優れた性能を持ったアプリケーションのパフォーマンスを劣化させる悪性のプログラムである。 4.妥当でない
ファームウェアのファーム(firm)は、「頑丈な、堅牢な」という意味で、二軍や牧場を意味する「farm」ではない。
また、ファームウェアは、ハードウェアの基本的な制御のためにコンピュータなど機器に組み込まれたソフトウェアである。したがって「悪性のプログラム」でもない。
コンピュータや周辺機器、家電製品等に搭載されており、内蔵された記憶装置やメモリなどに記憶される。
クリッパー・マルウェアとは、感染したコンピュータのクリップボード情報を収集し悪用する機能を持つマルウェアをいい、仮想通貨を狙ったものが多い。 5.妥当である
クリッパー・マルウェアとは、感染したコンピュータのクリップボード情報を収集し悪用する機能を持つマルウェアである。
特に仮想通貨ウォレットを狙った金銭窃取に多用されており、クリップボード・スティーラーやクリップボード・ハイジャッカー、クリップ・バンカー(ClipBanker)とも呼ばれる。