令和6年-問14 行政法 行政不服審査法
Lv3
問題 更新:2025-01-10 00:51:46
行政不服審査法における審査請求に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 審査請求は、審査請求人本人がこれをしなければならず、代理人によってすることはできない。
- 審査請求人以外の利害関係人は、審査請求に参加することは許されないが、書面によって意見の提出をすることができる。
- 多数人が共同して審査請求をしようとする場合、1人の総代を選ばなければならない。
- 審査請求人本人が死亡した場合、当該審査請求人の地位は消滅することから、当該審査請求の目的である処分に係る権利が承継されるか否かにかかわらず、当該審査請求は当然に終了する。
- 法人でない社団または財団であっても、代表者または管理人の定めがあるものは、当該社団または財団の名で審査請求をすることができる。
正解 5
解説
審査請求は、審査請求人本人がこれをしなければならず、代理人によってすることはできない。 1.妥当でない
「代理人によってすることはできない」という点は妥当でない。
審査請求は、代理人によってすることができ、代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(行政不服審査法12条)。
審査請求人以外の利害関係人は、審査請求に参加することは許されないが、書面によって意見の提出をすることができる。 2.妥当でない
「審査請求に参加することは許されないが」という点は妥当でない。
利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分または不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる(行政不服審査法13条)。
公正な審理手続の一環として、審査請求の結果により直接影響を受ける利害関係人を参加人として審査請求に参加させ、十分な主張立証の機会を与えることで利害関係人の権利利益を保護するとともに適正な審理の実現を図るためである。
多数人が共同して審査請求をしようとする場合、1人の総代を選ばなければならない。 3.妥当でない
「1人の総代を選ばなければならない」は妥当ではない。
多数人が共同して審査請求をしようとするときは、3人を超えない総代を互選することができる(行政不服審査法11条1項)。
審査請求人本人が死亡した場合、当該審査請求人の地位は消滅することから、当該審査請求の目的である処分に係る権利が承継されるか否かにかかわらず、当該審査請求は当然に終了する。 4.妥当でない
「審査請求の目的である処分に係る権利が承継されるか否かにかかわらず、当該審査請求は当然に終了する」は妥当ではない。
審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する(行政不服審査法15条1項)。
法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者の例として、国家公務員共済組合法44条がある。同条は、受給権者が死亡した場合において、その者が支給を受けることができた給付でその支払を受けなかったものがあるときは、これをその者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹またはこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を共にしていたものに支給するとしている。
したがって、支払未済の給付にかかわる審査請求を受給権者がしていた場合において、受給権者が死亡したときは、これらの者が審査請求人の地位を承継することになる。
法人でない社団または財団であっても、代表者または管理人の定めがあるものは、当該社団または財団の名で審査請求をすることができる。 5.妥当である
法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる(行政不服審査法10条)。
法人でない社団または財団とは、権利能力なき社団または財団を指し、これらの団体であっても、社会において現実に活動する以上は、他の団体や個人との間で紛争を生じさせ、その解決が必要になることから審査請求の当事者能力を認めている。