平成26年-問23 行政法 地方自治法
Lv2
問題 更新:2023-01-30 21:13:07
条例に関する地方自治法の規定について、次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 選挙権を有する者からの一定の者の連署による条例の制定又は改廃の請求がなされた場合、適法な請求を受理した長は、これを議会に付議しなければならず、付議を拒否することは認められていない。
- 選挙権を有する者は、一定の者の連署によって、条例の制定及び改廃の請求をすることができるが、その対象となる条例の内容については、明文の制約はない。
- 地方公共団体の条例制定権限は、当該地方公共団体の自治事務に関する事項に限られており、法定受託事務に関する事項については、及ばない。
- 条例の議決は、議会の権限であるから、条例の公布も、議会の議長の権限とされているが、議長から送付を受けた長が公報などにより告示する。
- 条例の制定は、議会に固有の権限であるから、条例案を議会に提出できるのは議会の議員のみであり、長による提出は認められていない。
正解 1
解説
選挙権を有する者からの一定の者の連署による条例の制定又は改廃の請求がなされた場合、適法な請求を受理した長は、これを議会に付議しなければならず、付議を拒否することは認められていない。 1.正しい。
普通地方公共団体の長は、第1項の請求(一定の条例の制定又は改廃の請求)を受理した日から20日以内に議会を招集し、意見を附けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない(地方自治法74条3項)。
選挙権を有する者は、一定の者の連署によって、条例の制定及び改廃の請求をすることができるが、その対象となる条例の内容については、明文の制約はない。 2.誤り。
地方税に関する条例の制定又は改廃の請求については、明文によって制約されている。
選挙権を有する者は、その総数の1/50以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができる(地方自治法74条)。
地方公共団体の条例制定権限は、当該地方公共団体の自治事務に関する事項に限られており、法定受託事務に関する事項については、及ばない。 3.誤り。
普通地方公共団体は、自治事務・法定受託事務どちらについても、条例を制定することができる(地方自治法14条1項、地方自治法2条2項)。
条例の議決は、議会の権限であるから、条例の公布も、議会の議長の権限とされているが、議長から送付を受けた長が公報などにより告示する。 4.誤り。
普通地方公共団体の議会の議長は、条例の制定又は改廃の議決があったときは、その日から3日以内にこれを当該普通地方公共団体の長に送付しなければならない(地方自治法16条1項)。
普通地方公共団体の長は、条例の送付を受けた場合は、その日から20日以内にこれを公布しなければならない(地方自治法16条2項)。
条例の制定は、議会に固有の権限であるから、条例案を議会に提出できるのは議会の議員のみであり、長による提出は認められていない。 5.誤り。
普通地方公共団体の長の権限の一つとして地方自治法149条は、「普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。」と規定している。