平成28年-問2 基礎法学 法令用語
Lv3
問題 更新:2023-05-21 22:22:28
法律の形式に関する次のア~オの記述のうち、現在の立法実務の慣行に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。
ア.法律は、「条」を基本的単位として構成され、漢数字により番号を付けて条名とするが、「条」には見出しを付けないこととされている。
イ.「条」の規定の中の文章は、行を改めることがあり、そのひとつひとつを「項」という。
ウ.ひとつの「条」およびひとつの「項」の中で用語等を列挙する場合には、漢数字により番号を付けて「号」と呼ぶが、「号」の中で用語等を列挙する場合には、片仮名のイロハ順で示される。
エ.法律の一部改正により特定の「条」の規定をなくす場合において、その「条」の番号を維持し、その後の「条」の番号の繰り上げを避けるときは、改正によってなくす規定の「条」の番号を示した上で「削除」と定めることとされている。
オ.法律の一部改正により新たに「条」の規定を設ける場合には、その新しい「条」の規定の内容が直前の「条」の規定の内容に従属しているときに限り、その新しい「条」には直前の「条」の番号の枝番号が付けられる。
- ア・イ
- ア・オ
- イ・ウ
- ウ・エ
- エ・オ
正解 2
解説
法律は、「条」を基本的単位として構成され、漢数字により番号を付けて条名とするが、「条」には見出しを付けないこととされている。 ア.妥当でない。
条文を読んでみると条分の前に「見出し」が付されている。これは、各出版社が勝手に付けたものではない。
「条」の規定の中の文章は、行を改めることがあり、そのひとつひとつを「項」という。 イ.妥当である。
「項」は段落であるため、「条」が行を改めることがあるときは、その一つひとつを「項」とする。
ひとつの「条」およびひとつの「項」の中で用語等を列挙する場合には、漢数字により番号を付けて「号」と呼ぶが、「号」の中で用語等を列挙する場合には、片仮名のイロハ順で示される。 ウ.妥当である。
例として行政手続法2条4号、会社法107条を参照。
法律の一部改正により特定の「条」の規定をなくす場合において、その「条」の番号を維持し、その後の「条」の番号の繰り上げを避けるときは、改正によってなくす規定の「条」の番号を示した上で「削除」と定めることとされている。 エ.妥当である。
例として民法39条から民法84条を参照。
法律の一部改正により新たに「条」の規定を設ける場合には、その新しい「条」の規定の内容が直前の「条」の規定の内容に従属しているときに限り、その新しい「条」には直前の「条」の番号の枝番号が付けられる。 オ.妥当でない。
「規定の内容に従属しているときに限り」としている点が妥当ではない。
特に規定の内容に従属していない場合でも、新しく加えられた「条」には直前の「条」の番号の枝番号が付けられる。
行政手続法36条の2を参照。