平成28年-問13 行政法 行政手続法
Lv3
問題 更新:2023-01-30 17:21:33
行政手続法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 行政庁は、申請の形式上の要件に適合しない申請については、補正を求めなければならず、ただちにこれを拒否してはならない。
- 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を提示しなければならない。
- 行政庁は、申請者の求めがあれば、申請に係る審査の進行状況や申請に対する処分時期の見通しを示すよう努めなければならない。
- 申請により求められた許認可等を拒否する処分は、不利益処分ではなく、「申請に対する処分」に該当する。
- 形式上の要件に適合する届出については、提出先とされる機関の事務所に届出書が到達したときに届出の義務が履行されたものとする。
正解 1
解説
行政庁は、申請の形式上の要件に適合しない申請については、補正を求めなければならず、ただちにこれを拒否してはならない。 1.誤り
行政庁は、申請書に不備があった場合には、補正を求めるか拒否処分をするかの選択をすることができる。
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない(行政手続法7条)。
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を提示しなければならない。 2.正しい
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない(行政手続法8条1項本文)。
行政庁は、申請者の求めがあれば、申請に係る審査の進行状況や申請に対する処分時期の見通しを示すよう努めなければならない。 3.正しい
行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない(行政手続法9条1項)。
申請により求められた許認可等を拒否する処分は、不利益処分ではなく、「申請に対する処分」に該当する。 4.正しい
不利益処分には、申請に対する拒否処分は含まれない(行政手続法2条4号ロ)。
形式上の要件に適合する届出については、提出先とされる機関の事務所に届出書が到達したときに届出の義務が履行されたものとする。 5.正しい
届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする(行政手続法37条)。