平成28年-問16 行政法 行政不服審査法
Lv2
問題 更新:2023-01-30 17:24:53
行政不服審査法の定める審査請求に対する裁決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 処分についての審査請求が不適法である場合や、審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で当該審査請求を却下するが、このような裁決には理由を記載しなければならない。
- 処分についての審査請求に対する認容裁決で、当該処分を変更することができるのは、審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁の場合に限られるが、審査庁が処分庁の場合は、審査請求人の不利益に当該処分を変更することもできる。
- 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
- 法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、自らその処分を行うことができる。
- 不作為についての審査請求が理由がある場合において、審査庁が不作為庁の上級行政庁である場合、審査庁は、裁決で当該不作為が違法または不当である旨を宣言するが、当該不作為庁に対し、一定の処分をすべき旨を命ずることはできない。
正解 3
解説
処分についての審査請求が不適法である場合や、審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で当該審査請求を却下するが、このような裁決には理由を記載しなければならない。 1.誤り
審査請求が理由がない場合、却下裁決ではなく、棄却裁決を出す(行政不服審査法45条2項)。
処分についての審査請求に対する認容裁決で、当該処分を変更することができるのは、審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁の場合に限られるが、審査庁が処分庁の場合は、審査請求人の不利益に当該処分を変更することもできる。 2.誤り
処分の変更をすることができるのは、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁の場合に限られる(行政不服審査法46条1項)。
しかし、審査庁が処分庁の場合であっても、審査請求人の不利益に処分を変更することは許されない(行政不服審査法48条)。
不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。 3.正しい
不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する(行政不服審査法49条1項)。
法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、自らその処分を行うことができる。 4.誤り
法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、処分庁である審査庁は当該処分をし、処分庁の上級行政庁である審査庁は、処分庁に対し処分をすべき旨を命ずる(行政不服審査法46条2項)。
不作為についての審査請求が理由がある場合において、審査庁が不作為庁の上級行政庁である場合、審査庁は、裁決で当該不作為が違法または不当である旨を宣言するが、当該不作為庁に対し、一定の処分をすべき旨を命ずることはできない。 5.誤り
不作為についての審査請求に理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言した上で、不作為庁が審査庁である場合には、当該処分をし、審査庁が不作為庁の上級行政庁である場合には、当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずる(行政不服審査法49条3項)。