平成29年-問36 商法 商行為
Lv2
問題 更新:2023-01-30 16:39:18
商人および商行為に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 商人とは、自己の計算において商行為をすることを業とする者をいう。
- 店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。
- 商人の行為は、その営業のためにするものとみなされ、全て商行為となる。
- 商法は一定の行為を掲げて商行為を明らかにしているが、これらの行為は全て営業としてするときに限り商行為となる。
- 商行為とは、商人が営業としてする行為または営業のためにする行為のいずれかに当たり、商人でない者の行為は、商行為となることはない。
正解 2
解説
商人とは、自己の計算において商行為をすることを業とする者をいう。 1.誤り。
「自己の計算において」としている点が誤り。
商人とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう(商法4条1項)。
店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。 2.正しい。
店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす(商法4条2項)。
「擬制商人」と呼ばれる者のことである。
本来は商行為をすることを業とする者が商人であるが(商法501条、商法502条)、それ以外の者も商人とみなし、商法の適用を認めるのが商法4条2項である。
「店舗その他これに類似する設備によって物品を販売」していたら、第三者の目には商人であると映るため、その者は商人として扱い、商法を適用するのである。
商人の行為は、その営業のためにするものとみなされ、全て商行為となる。 3.誤り。
「みなす」ではなく「推定する」である。
商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。商人の行為は、その営業のためにするものと推定する(商法503条1項2項)。
商法は一定の行為を掲げて商行為を明らかにしているが、これらの行為は全て営業としてするときに限り商行為となる。 4.誤り。
基本的商行為と呼ばれる商行為は、絶対的商行為と営業的商行為に分けることができる。
営業的商行為について、条文は「次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする」と規定している(商法502条)。
絶対的商行為については「次に掲げる行為は、商行為とする」と規定されており(商法501条)、絶対的商行為は「営業としてしなくても」商行為にあたる。
絶対的商行為は、営利性が極めて強い行為であるため、営業としてしなくても商行為にあたるのである。
商行為とは、商人が営業としてする行為または営業のためにする行為のいずれかに当たり、商人でない者の行為は、商行為となることはない。 5.誤り。
肢4解説参照。
絶対的商行為は、誰が行っても商行為となる。