平成30年-問51 一般知識等 社会
Lv3
問題 更新:2023-05-31 11:42:03
日本の墓地および死体の取扱い等に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 墓地の経営には、都道府県知事の許可が必要であるが、納骨堂の経営は届出のみでよい。
- 死体を火葬する際には、生前に住民登録があった市町村の長の許可証を得ることが法律で義務付けられている。
- 死体の火葬を死亡又は死産の当日に行うことは法律で禁止されておらず、感染症などによる死亡の場合には、むしろ死亡当日の火葬が法律で義務付けられている。
- 死体は火葬されることが多いが、土葬も法律で認められている。
- 墓地使用者が所在不明となって10年経過した墓については、経営者の裁量で撤去することが、法律で認められている。
正解 4
解説
墓地の経営には、都道府県知事の許可が必要であるが、納骨堂の経営は届出のみでよい。 1.妥当でない
墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない(墓地、埋葬等に関する法律10条1項)とされているため、墓地の経営だけでなく、納骨堂の経営をする場合にも、届出のみでは足りず、都道府県知事の許可が必要となる。
死体を火葬する際には、生前に住民登録があった市町村の長の許可証を得ることが法律で義務付けられている。 2.妥当でない
埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。)の許可を受けなければならない(墓地、埋葬等に関する法律5条1項)。
また、火葬に係るものにあっては死亡若しくは死産の届出を受理した市町村長が行うこととされており(墓地、埋葬等に関する法律5条2項)、生前に住民登録があった市町村の長による許可ではない。
死体の火葬を死亡又は死産の当日に行うことは法律で禁止されておらず、感染症などによる死亡の場合には、むしろ死亡当日の火葬が法律で義務付けられている。 3.妥当でない
埋葬又は火葬は、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ行うことができない。ただし、妊娠7ヵ月に満たない死産のときは、この限りでない(墓地、埋葬等に関する法律3条)。
死体は火葬されることが多いが、土葬も法律で認められている。 4.妥当である
墓地、埋葬等に関する法律2条各号には、火葬のほか埋葬や改葬も定められており、土葬も法律上認められている。
墓地使用者が所在不明となって10年経過した墓については、経営者の裁量で撤去することが、法律で認められている。 5.妥当でない
墓を撤去することは、法律上は「改葬」にあたり(墓地、埋葬等に関する法律2条3項)、改葬を行うには、厚生労働省令で定めるところにより市町村長の許可を受けなければならない(墓地、埋葬等に関する法律5条1項)。
墓地の経営者の裁量で撤去(改葬)することはできない。