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令和元年-問15 行政法 行政不服審査法

Lv3

問題 更新:2023-01-28 12:49:30

行政不服審査法が定める審査請求の手続等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 審査請求は、審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合には、処分庁を経由してすることもできるが、処分庁は提出された審査請求書を直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない。
  2. 審査庁は、審査請求が不適法であって補正をすることができないことが明らかなときは、審理員による審理手続を経ないで、裁決で、当該審査請求を却下することができる。
  3. 審査請求人は、審理手続が終了するまでの間、審理員に対し、提出書類等の閲覧を求めることができるが、その写しの交付を求めることもできる。
  4. 審理員は、審査請求人の申立てがあった場合には、口頭意見陳述の機会を与えなければならないが、参加人がこれを申し立てることはできない。
  5. 行政庁の処分に不服がある者は、当該処分が法律上適用除外とされていない限り、当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることができる旨の定めがないものについても、審査請求をすることができる。
  解答&解説

正解 4

解説

審査請求は、審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合には、処分庁を経由してすることもできるが、処分庁は提出された審査請求書を直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない。 1.正しい。

審査請求が、審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合、処分庁等を経由してすることができるが(行政不服審査法21条1項)、この場合には、処分庁等は、直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない(行政不服審査法21条2項)。

審査請求人の便宜に配慮し、処分庁を経由した審査請求を選択可能とし、処分庁等を経由してすることができる場合、処分庁等には、審査庁となるべき行政庁に直ちに送付することが義務付けられている。

審査庁は、審査請求が不適法であって補正をすることができないことが明らかなときは、審理員による審理手続を経ないで、裁決で、当該審査請求を却下することができる。 2.正しい。

審査請求が不適法であって補正をすることができないことが明らかなときは、審理員による手続きを経ないで、裁決で、当該審査請求を却下することができる(行政不服審査法24条)。

審査請求の適法要件が欠けていることを理由として、本案の審理手続に入らずに行われる裁決であるため、却下裁決、いわゆる門前払いとなる。

審査請求人は、審理手続が終了するまでの間、審理員に対し、提出書類等の閲覧を求めることができるが、その写しの交付を求めることもできる。 3.正しい。

審査請求人または参加人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し、提出書類等の閲覧、その書面の交付を求めることができる(行政不服審査法38条1項)。

審査請求人ばかりでなく参加人には、審理手続において有効な主張や立証ができるよう提出書類等の閲覧や写しの交付請求権が認められている。この権利を行使できるのは、審理手続が終結するまでの間であり、審理手続終結後は行使することはできない。

審理員は、審査請求人の申立てがあった場合には、口頭意見陳述の機会を与えなければならないが、参加人がこれを申し立てることはできない。 4.誤り。

審査請求人または参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならないと定められており、参加人も申立てをすることができる(行政不服審査法31条1項)。

書面審理主義の例外として、審査請求人・参加人には、口頭で審査請求に係る事件関する意見を述べる機会を与えることによって、権利利益の救済が十分になされるようにしている。

行政庁の処分に不服がある者は、当該処分が法律上適用除外とされていない限り、当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることができる旨の定めがないものについても、審査請求をすることができる。 5.正しい。

行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる(行政不服審査法1条2項)。

行政不服審査法は、行政上の不服申立ての一般法としての性格を有しており、他の法律に特別の定めがある場合には他の法律の特別の定めが特別法として、本法に優先して適用されることになる。

当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることができる旨の定めがないものについては、法律上適用除外とされていない限り、不服申立ての一般法として、本法に基づき、審査請求をすることができる。

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