令和2年-問48 一般知識等 社会
Lv4
問題 更新:2023-05-31 10:42:46
「フランス人権宣言」に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 個人の権利としての人権を否定して、フランスの第三身分の階級的な権利を宣言したものである。
- 人権の不知、忘却または蔑視が、公共の不幸と政府の腐敗の原因に他ならない、とされている。
- 人は生まれながらに不平等ではあるが、教育をすることによって人としての権利を得る、とされている。
- あらゆる主権の源泉は、神や国王あるいは国民ではなく、本質的に領土に由来する、とされている。
- 権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されないすべての社会は公の武力を持ってはならない、とされている。
正解 2
解説
個人の権利としての人権を否定して、フランスの第三身分の階級的な権利を宣言したものである。 1.妥当でない
フランス人権宣言は、人間の自由と平等、人民主権、言論の自由、三権分立、所有権の神聖など17条からなるフランス革命の基本原則を記し、個人の権利としての人権を宣言したものである。
1789年にフランスのラファイエットによって起草された。
人権の不知、忘却または蔑視が、公共の不幸と政府の腐敗の原因に他ならない、とされている。 2.妥当である
フランス人権宣言は前文によって「国民議会として構成されたフランス人民の代表者たちは、人の権利に対する無知、忘却、または軽視が、公の不幸と政府の腐敗の唯一の原因である」としている。
人は生まれながらに不平等ではあるが、教育をすることによって人としての権利を得る、とされている。 3.妥当でない
フランス人権宣言6条は「すべての市民は、法律の前に平等であるから、その能力にしたがって、かつ、その徳行と才能以外の差別なしに、等しく、すべての位階、地位および公職に就くことができる。」としている。
教育については特に述べられていない。
あらゆる主権の源泉は、神や国王あるいは国民ではなく、本質的に領土に由来する、とされている。 4.妥当でない
フランス人権宣言3条は「すべての主権の淵源(えんげん:みなもとの意)は、本質的に国民にある。いかなる団体も、いかなる個人も、国民から明示的に発しない権威を行使することはできない。」としている。
権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されないすべての社会は公の武力を持ってはならない、とされている。 5.妥当でない
フランス人権宣言16条は「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない。」としている。
「公の武力」についてはフランス人権宣言12条で「人および市民の権利の保障は、公の武力を必要とする。この武力は、すべての者の利益のために設けられるのであり、それが委託される者の特定の利益のために設けられるのではない。」と述べられているが、問題文は妥当ではない。