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令和3年-問1 基礎法学 その他

Lv3

問題 更新:2022-01-08 01:16:50

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

そもそも、刑罰は[ ア ]的に科すべきものであるか([ ア ]刑論)あるいは[ イ ]を目的として科すべきものであるか(目的刑論)が、いわゆる刑法理論の争いである。
[ ア ]刑論すなわち絶対論では、善因に善果あるべきが如く、悪因に悪果あるべきは当然とするのである。しかして、刑罰は、国家がこの原理に基づいてその権力を振るうもので、同時にこれによって国家ないし法律の権威が全うされるというのである。
これに対して、[ イ ]論すなわち相対論においては、[ イ ]の必要に基づきて国家は刑罰を行うというのである。たとい小さな犯罪といえども、それが[ ウ ]となれば重く罰する必要があろう。たとい重い犯罪といえども、それが偶発的な犯罪であるならば、刑の[ エ ]ということにしてよかろうというのである。

(出典 牧野英一「法律に於ける正義と公平」1920年から<適宜新かな新漢字に修正した。>)

1. 応報社会防衛故意犯仮執行
2. 教育社会防衛累犯執行猶予
3. 応報国家防衛故意犯仮執行
4. 教育国家防衛累犯執行猶予
5. 応報社会防衛累犯執行猶予
  解答&解説

正解 5

解説

ア:応報、イ:社会防衛、ウ:累犯、エ:執行猶予

イ群の「国家防衛」は敵国の侵略行為から国を守ることでいわゆる国防である。ここでは外国からの侵略行為については書いていないので、イに適するのは「社会防衛」である。

エ群の「仮執行」とは、判決が確定する前に仮に執行するもので、民事訴訟で用いられる。問題文は刑罰に対して書かれているが、判決が確定する前に仮に刑罰が執行されたら著しい人権侵害になってしまう。エに適するのは「執行猶予」である。

そうすると、選択するべきは肢2か肢5になり、「悪因に悪果あるべき」という文脈からアに適する語句は「応報」である。
したがって、正しい語句の組み合わせを持つのは肢5である。

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