令和4年-問2 基礎法学 法令用語
Lv3
問題 更新:2023-11-20 18:44:59
法律用語に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。
ア.「法律要件」とは、法律効果を生じさせる原因となる客観的な事実のことであり、意思表示などの主観的な要素は、これには含まれない。
イ.「法律効果」とは、法律上の権利義務関係の変動(発生、変更または消滅)のことをいう。
ウ.「構成要件」とは、犯罪行為を特徴付ける定型的な外形的事実のことであり、故意などの主観的な要素は、これには含まれない。
エ.「立法事実」とは、法律を制定する場合において、当該立法の合理性を根拠付ける社会的、経済的、政治的または科学的事実のことをいう。
オ.「要件事実」とは、法律要件に該当する具体的な事実のことをいう。
- ア・ウ
- ア・エ
- イ・エ
- イ・オ
- ウ・オ
正解 1
解説
ア、ウが妥当でない。
「法律要件」とは、法律効果を生じさせる原因となる客観的な事実のことであり、意思表示などの主観的な要素は、これには含まれない。 ア.妥当でない
「意思表示などの主観的な要素は、これには含まれない。」という点が妥当でない。
たとえば売買契約において当事者同士の意思表示は、法律効果を生じさせる原因となる(民法522条1項)。
「法律効果」とは、法律上の権利義務関係の変動(発生、変更または消滅)のことをいう。 イ.妥当である
法律要件を満たしたことで発生する権利義務の変動を「法律効果」という。
「構成要件」とは、犯罪行為を特徴付ける定型的な外形的事実のことであり、故意などの主観的な要素は、これには含まれない。 ウ.妥当でない
「故意などの主観的な要素は、これには含まれない。」という点が妥当でない。
「構成要件」とは、刑法上の犯罪が成立するための要件をいう。
たとえば、「罪を犯す意思がない行為は、罰しない(刑法38条1項本文)」とし、故意が主観的要素に含まれる。
また、刑法209条1項の過失傷害罪は「過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。」とし、「過失により」という主観的要素が含まれている。
「立法事実」とは、法律を制定する場合において、当該立法の合理性を根拠付ける社会的、経済的、政治的または科学的事実のことをいう。 エ.妥当である
たとえば「公職選挙法の一部を改正する法律案」においては、「選挙人名簿の内容確認手段について、縦覧の件数が極めて少ないことや個人情報保護の要請が高まっていること」等の事実があげられている。
「要件事実」とは、法律要件に該当する具体的な事実のことをいう。 オ.妥当である
たとえば意思表示という法律要件について、「口頭で行った」「申込書に署名した」などの具体的な事実が対応する。