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令和5年-問38 商法 会社法

Lv2

問題 更新:2024-01-07 21:19:43

株式会社の種類株式に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。なお、定款において、単元株式数の定めはなく、また、株主総会における議決権等について株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定めはないものとする。

  1. 株式会社が2以上の種類の株式を発行する場合には、各々の種類の株式について発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。
  2. 公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、1つの株式につき2個以上の議決権を有することを内容とする種類株式を発行することができる。
  3. 株式会社は、株主総会または取締役会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を必要とすることを内容とする種類株式を発行することができる。
  4. 公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役または監査役を選任することを内容とする種類株式を発行することができる。
  5. 株式会社は、株主総会の決議事項の全部について議決権を有しないことを内容とする種類株式を発行することができる。
  解答&解説

正解 2

解説

株式会社が2以上の種類の株式を発行する場合には、各々の種類の株式について発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 1.正しい

株式会社は、内容の異なる2以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない(会社法108条2項)。

公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、1つの株式につき2個以上の議決権を有することを内容とする種類株式を発行することができる。 2.誤り

非公開会社の場合は、定款に株主総会における議決権等について株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定めを置くことで、本文の様な株式を発行することはできるが、問題文においてこのような定款の定めはないとする前提があるので誤りとなる(会社法109条参照)。

株式会社は、株主総会または取締役会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を必要とすることを内容とする種類株式を発行することができる。 3.正しい

株主総会での決議事項のうち、通常の株式総会の決議の他に、この種類の株主で構成された種類株主総会の決議が必要とする内容を定める事ができ、これを拒否権付き株式という(会社法108条1項8号)。

この種類の株式は黄金株ともいわれ、その会社の有力者に保有させる事で強い影響力を持たせる事が可能になる。

公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役または監査役を選任することを内容とする種類株式を発行することができる。 4.正しい

この種類の株式を役員選任権付種類株式という(会社法108条1項9号)。
この種類の株式は指名委員会等設置会社ではない非公開会社のみが発行することができる。不透明な経営支配を防止するため、多数の投資家が株主となりうる指名委員会等設置会社・公開会社ではこの内容を定める事ができない。

株式会社は、株主総会の決議事項の全部について議決権を有しないことを内容とする種類株式を発行することができる。 5.正しい

この種類の株式を無議決権株式という(会社法108条1項3号)。
経営にあまり関心がない株主や、法令によって議決権を持つことが制限されている株主に対するニーズがあり、このような種類株式の株主に対しては配当や残余財産の配当で優先される場合がある。

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