令和5年-問51 基礎知識 一般知識Ⅱ
Lv2
問題 更新:2024-01-07 21:28:03
日本の金融政策に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 近年、日本銀行は、消費者物価指数の上昇率を年率2%とする物価安定目標を掲げ、金融緩和を推進してきた。
- 諸外国ではマイナス金利政策を導入する事例があるが、マイナス金利政策の導入は、預金残高縮小をもたらすことから、日本では導入されていない。
- 日本銀行は、地域振興を進めるために、地方銀行に対する独自の支援策として、都市銀行よりも低い金利で貸付けを行っている。
- 2024年には新しい日本銀行券が発行されるが、その際には、デジタル通貨の導入も同時に行われることとされている。
- 2022年、政府は、急速に進んだ円高に対処し、為替レートを安定化させるために、金利の引き上げを行った。
正解 1
解説
近年、日本銀行は、消費者物価指数の上昇率を年率2%とする物価安定目標を掲げ、金融緩和を推進してきた。 1.妥当である
日本銀行は、2013年に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、2016年の金融政策決定会合において、金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入した。
諸外国ではマイナス金利政策を導入する事例があるが、マイナス金利政策の導入は、預金残高縮小をもたらすことから、日本では導入されていない。 2.妥当でない
日本銀行は、2016年政策委員会・金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定した。
日本銀行は、地域振興を進めるために、地方銀行に対する独自の支援策として、都市銀行よりも低い金利で貸付けを行っている。 3.妥当でない
出題時の2023年の時点で、日本銀行の貸出約定平均金利の推移において、地方銀行が優遇されている動きは見られない。
2024年には新しい日本銀行券が発行されるが、その際には、デジタル通貨の導入も同時に行われることとされている。 4.妥当でない
デジタル通貨については日本銀行決済機構局においてシステムの実験・検証中ではあるが、導入するかは2023年時点で決定していない。
2022年、政府は、急速に進んだ円高に対処し、為替レートを安定化させるために、金利の引き上げを行った。 5.妥当でない
日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない(日本銀行法3条1項)とされており、日本銀行は政府から独立した中央銀行として金融政策を行っている。