平成27年-問18 行政法 行政事件訴訟法
Lv2
問題 更新:2023-01-30 18:50:32
行政事件訴訟法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア.処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる。
イ.取消判決は、その事件について、処分庁その他の関係行政庁を拘束すると定められているが、同規定は、公法上の当事者訴訟に準用されている。
ウ.不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができ、それ以外の第三者が提起することは許されない。
エ.裁判所は、必要であると認めるときは、職権で、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることができるが、その行政庁から申し立てることはできない。
オ.行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分をする場合には、相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者等を教示しなければならないが、審査請求に対する裁決をする場合には、それに対する取消訴訟に関する教示の必要はない。
- ア・イ
- ア・オ
- イ・ウ
- ウ・エ
- エ・オ
正解 3
解説
処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる。 ア.誤り。
このような規定は行政事件訴訟法のなかには存在しない。
取消判決は、その事件について、処分庁その他の関係行政庁を拘束すると定められているが、同規定は、公法上の当事者訴訟に準用されている。 イ.正しい。
処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する(行政事件訴訟法33条1項)。
そして行政事件訴訟法33条1項は当事者訴訟に準用されている(行政事件訴訟法41条1項)。
不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができ、それ以外の第三者が提起することは許されない。 ウ.正しい。
不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる(行政事件訴訟法37条)。
裁判所は、必要であると認めるときは、職権で、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることができるが、その行政庁から申し立てることはできない。 エ.誤り。
裁判所は、処分又は裁決をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の申立てにより又は職権で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参加させることができる(行政事件訴訟法23条)。
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分をする場合には、相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者等を教示しなければならないが、審査請求に対する裁決をする場合には、それに対する取消訴訟に関する教示の必要はない。 オ.誤り。
審査請求に対する裁決をする場合にも、教示の必要がある。
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項(当該処分又は裁決に係る取消訴訟の被告とすべき者等)を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない(行政事件訴訟法46条1項柱書き)。