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平成27年-問44 記述式 行政法

Lv4

問題 更新:2023-11-14 18:04:46

Xは、Y県内で開発行為を行うことを計画し、Y県知事に都市計画法に基づく開発許可を申請した。しかし、知事は、この開発行為によりがけ崩れの危険があるなど、同法所定の許可要件を充たさないとして、申請を拒否する処分をした。これを不服としたXは、Y県開発審査会に審査請求をしたが、同審査会も拒否処分を妥当として審査請求を棄却する裁決をした。このため、Xは、申請拒否処分と棄却裁決の両方につき取消訴訟を提起した。このうち、裁決取消訴訟の被告はどこか。また、こうした裁決取消訴訟においては、一般に、どのような主張が許され、こうした原則を何と呼ぶか。40字程度で記述しなさい。

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正解例 Y県が被告となり、裁決固有の瑕疵のみを主張できる。原処分主義という。(34字)

解説

本問では、
①裁決取消訴訟の被告はどこか。
②こうした裁決取消訴訟においては、一般に、どのような主張が許されるか。
③こうした原則を何と呼ぶか。
を問うている。

①について

行政事件訴訟法11条1項柱書きは、「処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があった後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。」としている。

訴訟の種類 被告
処分の取り消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体

以上より、当該裁決をした行政庁の所属する公共団体を被告とすることとなる。

②について

行政事件訴訟法10条2項は「処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。」と規定している。
したがって、裁決取消訴訟においては、処分の違法を理由とすることが許されず、裁決固有の瑕疵のみを主張することができる。

③について

本問のような原則を「原処分主義」と呼んでいる。

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