平成29年-問15 行政法 行政不服審査法
Lv2
問題 更新:2023-01-30 15:39:27
行政不服審査法の定める審査請求人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 法人でない社団であっても、代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる。
- 審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り、行政不服審査会に審査請求をすることができる。
- 審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について、弁明書を提出することができる。
- 審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる。
- 共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
正解 1
解説
法人でない社団であっても、代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる。 1.正しい
法人でない社団で代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる(行政不服審査法10条)。
審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り、行政不服審査会に審査請求をすることができる。 2.誤り
行政不服審査会は、総務省に設置された行政不服審査法に基づく審査請求事件についての一般的諮問機関であり(行政不服審査法67条)、審査請求をすべき行政庁ではない。
上級行政庁とは、処分庁を指揮監督する権限を有する行政庁を意味している。
処分庁に上級行政庁がない場合の審査請求は、当該処分庁に対して行うことになる(行政不服審査法4条1号)。
審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について、弁明書を提出することができる。 3.誤り
本肢では、処分庁と審査請求人が提出するものが逆になっている。
処分庁が審理員に提出するのが弁明書(行政不服審査法29条2項)、審査請求人が提出することができるのが反論書(行政不服審査法30条1項)である。
審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる。 4.誤り
特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができるとする本肢は誤りである。
審査請求人の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(行政不服審査法12条2項)。
共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。 5.誤り
総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる(行政不服審査法11条3項)。