令和5年-問46 記述式 民法
Lv3
問題 更新:2024-01-07 21:25:14
Aは、Aが所有する土地上に住宅を建築する旨の建築請負契約(以下「本件契約」という。)を工務店Bとの間で締結した。本件契約においては、Bの供する材料を用い、また、同住宅の設計もBに委ねることとされた。本件契約から6ヵ月経過後に、Aは、請負代金全額の支払いと引き換えに、完成した住宅の引渡しを受けた。しかし、その引渡し直後に、当該住宅の雨漏りが3ヵ所生じていることが判明し、Aは、そのことを直ちにBに通知した。この場合において、民法の規定に照らし、Aが、Bに対し、権利行使ができる根拠を示した上で、AのBに対する修補請求以外の3つの権利行使の方法について、40字程度で記述しなさい。
正解例 契約不適合責任を根拠に、請負代金減額請求、損害賠償請求及び解除の権利を行使できる。(41字)
解説
請負人は、注文者に対して、契約に基づき、種類・品質・数量に関して契約の内容に適合した物を供与すべき義務を負っている。
本問の事案において、Aは、Aが所有する土地上に住宅を建築する旨の建築請負契約を工務店Bとの間で締結し、完成した住宅を引き渡すがその直後に、当該住宅の雨漏りが3ヵ所生じていることが判明した。
建物の雨漏りは品質に関して契約の内容に適合した物を供与すべき義務を履行したとはいえない。
以上のことから、仕事の目的物の品質に関して契約内容に適合しないため注文者は、請負人に対し、履行の追完請求、報酬額減額請求、損害賠償請求、解除権の行使をすることができる(民法559条、民法562条、民法563条、民法564条)。
上記の条文をもとに、契約不適合の責任を追及することとなるので、「修補(履行の追完)以外の3つの権利行使」という指定に沿って記述すると、報酬の減額請求、損害賠償請求、契約解除の3項目を列記することとなる。