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平成27年-問21 行政法 地方自治法

Lv2

問題 更新:2023-01-30 18:57:51

住民訴訟に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.住民訴訟は、当該普通地方公共団体の住民ではない者であっても、住民監査請求をした者であれば、提起することが許される。

イ.住民訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

ウ.住民訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民が、別訴をもって同一の請求をすることは許されない。

エ.住民訴訟は、行政事件訴訟法の定める機関訴訟であり、それに関する行政事件訴訟法の規定が適用される。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ
  解答&解説

正解 3

解説

住民訴訟は、当該普通地方公共団体の住民ではない者であっても、住民監査請求をした者であれば、提起することが許される。 ア.誤り。

住民訴訟を提訴できるのは「普通地方公共団体の住民」であり、普通地方公共団体の住民ではない者は提訴できない。

条文は「普通地方公共団体の住民は、前条1項の規定による請求(住民監査請求)をした場合において、住民訴訟をもって次に掲げる請求をすることができる」としている(地方自治法242条の2第1項柱書き)。

なお、住民訴訟を提訴するためには、住民監査請求を前提としてしなければいけない(地方自治法242条の2第1項柱書き、地方自治法242条)。

住民訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 イ.正しい。

住民訴訟は当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する(地方自治法242条の2第5項)。

住民訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民が、別訴をもって同一の請求をすることは許されない。 ウ.正しい。

住民訴訟が係属しているときは当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもって同一の請求をすることができない(地方自治法242条の2第4項)。

これは、別訴をもって同一の請求ができるのであれば裁判所の負担が二重になるし、何より元々の訴訟と別訴で結論が異なることを避けるためである。

住民訴訟は、行政事件訴訟法の定める機関訴訟であり、それに関する行政事件訴訟法の規定が適用される。 エ.誤り。

住民訴訟は、行政事件訴訟法の定める機関訴訟ではないため、本肢は誤り。

住民訴訟は、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものである。
行政事件訴訟法5条によると、これは「民衆訴訟」と呼ばれるものであり、住民訴訟は民衆訴訟に分類される。

なお、他の訴訟で民衆訴訟に該当するのは「公職選挙法の定める選挙に関する訴訟」があげられる。

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