平成27年-問22 行政法 地方自治法
Lv2
問題 更新:2023-11-14 17:32:20
特別区に関する次の文章の空欄[ ア ]~[ オ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
[ ア ]地方公共団体の一種である特別区は、地方自治法の規定では「都」に設置されるものとされている。指定都市に置かれる区が法人格を[ イ ]のに対して、特別区は法人格を[ ウ ]のが特徴であり、また、特別区は公選の議会と区長を有している。
近年では、大都市地域における二重行政を解消するための手段として、この特別区制度を活用することが提案され、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」が地方自治法の特例法として定められるに至った。
この「大都市地域における特別区の設置に関する法律」は、市町村を廃止し、特別区を設けるための手続を定めたものであり、「[ エ ]の区域内において」も特別区の設置が認められるようになった。手続に際しては、廃止が予定される市町村で「特別区の設置について選挙人の投票」が実施されるが、この投票で「有効投票の総数の[ オ ]の賛成があったとき」でなければ、特別区を設置することはできないと定められている。
ア | イ | ウ | エ | オ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1. | 特別 | 有しない | 有する | 府 | 3分の2以上 | |
2. | 特別 | 有しない | 有する | 道府県 | 過半数 | |
3. | 特別 | 有する | 有しない | 府 | 過半数 | |
4. | 普通 | 有する | 有しない | 府 | 過半数 | |
5. | 普通 | 有しない | 有する | 道府県 | 3分の2以上 |
正解 2
解説
ア:特別、イ:有しない、ウ:有する、エ:道府県、オ:過半数
[ア]地方公共団体の一種である特別区は、地方自治法の規定では「都」に設置されるものとされている。 ア.特別
特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合及び財産区とする(地方自治法1条の3)。
つまり特別区は、特別地方公共団体である。
普通地方公共団体と特別地方公共団体(地方自治法1条の3) | ||
---|---|---|
地方公共団体 | 普通地方公共団体 | 都道府県及び市町村 |
特別地方公共団体 | 特別区、地方公共団体の組合及び財産区 |
指定都市に置かれる区が法人格を[イ]のに対して、特別区は法人格を[ウ]のが特徴であり、また、特別区は公選の議会と区長を有している。 イ.有しない、ウ.有する
指定都市に置かれる区は、行政事務の便宜上のために存在するものであり、地方自治法上の「地方公共団体」ではなく、法人ではない。つまり法人格を有しない。
一方、地方公共団体は、法人とする(地方自治法2条)。
そして特別区は特別地方公共団体であり「地方公共団体」であるから法人である。つまり法人格を有する。
肢ア解説表を参照。
この「大都市地域における特別区の設置に関する法律」は、市町村を廃止し、特別区を設けるための手続を定めたものであり、「[エ]の区域内において」も特別区の設置が認められるようになった。 エ.道府県
条文(大都市地域における特別区の設置に関する法律)は「この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区と道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的とする」としている(大都市地域における特別区の設置に関する法律1条)。
つまり「道府県の区域内において特別区を設けることが可能」である。
手続に際しては、廃止が予定される市町村で「特別区の設置について選挙人の投票」が実施されるが、この投票で「有効投票の総数の[オ]の賛成があったとき」でなければ、特別区を設置することはできないと定められている。 オ.過半数
条文(大都市地域における特別区の設置に関する法律)は「投票においてそれぞれその有効投票の総数の過半数の賛成があったときは、共同して、総務大臣に対し、特別区の設置を申請することができる」と規定している(大都市地域における特別区の設置に関する法律8条1項)。
つまり特別区を設置するためには、住民投票で「有効投票の総数の過半数の賛成が必要」である。